誰のためにもならなそうな落書き

絵が伝わりづらかったらドンマイ

今年のバイブルにしたい本「コンテンツの秘密」の感想 | 本レビュー

こんにちは。


「もっと早く読んでおけばよかった!!」と私に衝撃を与えた本の話をします。

その本はこちら


作者は、ニコニコ動画を運営するドワンゴ代表取締役会長でありスタジオジブリにも所属している、川上量生さんです。

この本では川上さんが「面白いコンテンツとはなにか」を、スタジオジブリのアニメや監督の思想を通して、自分の考えを述べたものになります。

アニメ業界でなくともWebコンテンツに関わる人にはぜひおすすめしたい一冊です。


そもそもコンテンツとはなにか。

結論からいうと、「コンテンツとは脳の模倣」です。

CM、アニメ、Webコンテンツも全てこの言葉に集結されるというのです。

訳がわからないですね・・・。

まずはそもそもなぜコンテンツは求められるのか、を説明します。

まず、2000年以上前からコンテンツ論はあったそうです。当時の哲学者 アリストテレスはコンテンツの役割につてこう指摘していました。

「コンテンツとは現実世界の模倣であり、人間は現実世界のシミュレーションとして最初にコンテンツから学ぶ」

つまり、人間が現実世界の模倣を楽しいと思い、それによって現実世界を有利にすること。これがコンテンツの起源だというのです。

確かに私たちはアニメや漫画を楽しいと思い、そこから社会を学ぶことは幼い時からしていましたね。

ただ”現実世界の模倣”でいいのなら、実写のほうが現実をリアルに再現できるのでは、と思いますがそれもまた違うようです。 

コンテンツを受け取るのは私たちの「脳」。

「脳」はそもそも五感から入るもの全てを察知している訳でなく、その特徴を察知しているそうなのです。
なので情報量が多い実写よりも、情報量が少なく特徴を誇張したアニメのほうが、脳にとって「気持ちいい」のです。
※ちなみにここでいう情報量は線の多さや色の多さなどをいいます。


つまりコンテンツとは「脳にとって気持ちいいものの表現」になるというのです。


クリエイターとは何をする人なのか。

上記の説明からすると、アニメやWebコンテンツを作る人たちは「脳に気持ちいものを作る人」となります。

例えば、宮崎駿監督は「脳に気持ちのいい絵を描く天才」らしいのですが、なにがすごいかというと、普通ではカメラに映らないことまで絵にしてしまうそうなのです。
たとえば「ハウルの動く城」でハウルが戦上の街を飛ぶシーン。ハウルの大きさだと普通は街まで入らないのですが、宮崎駿監督はハウルと街を絵に収めています。また、「風立ちぬ」に出てくる飛行機は、実寸より大きく書かれています。
それらは人間の脳がイメージしやすいサイズなのだそうです。


最後に

このように面白いコンテンツとは、「脳に気持ち良い表現をすること」であり、そのためにクリエイターは「いかに世界のイメージを表現できるか」が求められているということです。

だからこそ、クリエイターは

・脳のなかのイメージを再現する技術的な難しさ
・脳のなかのイメージを見つける難しさ
・自分の脳にはないイメージをつくる難しさ

で常に苦しめられているのです。


この難しさをクリアできる方法があればいいのですが、それだと均一的な表現しか出なそうなので、辛いながらも自分なりの表現を探し続けていくことにクリエイターの面白さはあるのでしょうね。

ちょっと長くなってしまったのですが、この辺で。